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最高裁判所第二小法廷 昭和26年(れ)707号 判決

主文

本件各上告を棄却する。

理由

被告人李東周を除くその余の各被告人の上告趣意並びに被告人李東周の弁護人木村盤根の上告趣意第一、二点はいずれも刑訴四〇五条所定の上告理由にあたらない。

被告人李東周の弁護人木村盤根の上告趣意第三点について。

本件は刑訴施行前に公訴が提起され昭和二六年二月一五日控訴審判決の言渡のあった事件であるからその上告については刑訴施行法二条、三条の二によるもので刑訴応急措置法一三条二項の適用を受くべきものでないから同法条の違憲無効を主張する論旨は適法な上告理由とならない。(しかも刑訴施行法三条の二が事実誤認、量刑不当を上告理由としなかったことが憲法に違反するものでないこと当裁判所大法廷判例の趣旨に徴し明らかである。昭和二二年(れ)五六号同二三年二月六日大法廷判決参照)

なお本件について刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よって、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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